
2018年から続く「たすき掛けプロジェクト」。前編ではメンター(経営トップ)の紹介とアジェンダオーナー(社員)のピッチ(プレゼン)とブレストの模様を紹介しました。
今回は当日を振り返って、参加者それぞれの目線から見たピッチについてお話を伺いました。
>> 前編 真面目にふざけて、本気で考える。一歩先の「挑戦」へ──経営トップを交換し、社員の挑戦を全力応援する【第6回たすき掛けプロジェクト(前編)】
テーマづくりと3分間の壁。初めてのピッチに向き合った日々
まずは、「小学生のころ体験した、楽しかった or いやだったイベントは?」というテーマで、アジェンダオーナーを務めたマネックスグループ株式会社(以下、マネックス)の関連会社、株式会社ヴィリング アフタースクール事業部の瀬口祐介さんにお話を伺いました。

──たすき掛けプロジェクトに参加しようと思ったきっかけを教えてください。
上司から、今度こういったものあるけどやってみない?という打診があって参加しました。詳細を聞かないで、とりあえず「やります」って答えたのですが…。
実際にふたを開けて見たら、社長さんや他社の方々がこんなに来るんだ…やばいぞ、みたいな(笑)。思っていたよりもすごい企画に参加してしまったなと思いました。正直発表の直前まで怖かったです(笑)。
──そこから実際にプレゼンをしてみていかがでしたか?
そうですね、内心ビクビクしていたんですけど、実際本番を迎えたら、みなさんすごく盛り上げてくれて、ウェルカムな雰囲気で迎えてくれたのが嬉しかったです。
テーマを決めるところが一番難しかったですね。今回、サポート役として全力応援コーディネーターのETIC.(以下、エティック)の小林さんがついてくださったので、実際にミーティングしながら、どういったテーマにするのがいいか、そのテーマだったらどういう伝え方をしたらいいのか、どうしたら自分の思いをちゃんと言葉にできるかを考えるのに苦労しました。
自分でどれくらいかかるかなと思ってしゃべってみたら、制限時間の3分を大幅にオーバーしていたり、練習をしてもうまく話せなかったり、そういう点も大変でした。
──今回の企画を終えて、何か気づきや印象に残ったことはありますか?
セイノーさんは完全に違う分野の企業だったので、そういう思いでやっているんだ、そういう問題があるんだ、そういうふうに取り組んでいるんだな、といろんなことが知れたのがすごい面白かったなと思います。
あとはもう、やるまではやっぱり緊張したりとかプレッシャーがすごくて…。ちょっと当日行きたくないなっていうのもありましたね(笑)。でもやってみたらすごく楽しかったです!
自分たちの社内だけだと意見が固まっちゃうと思いました。今回の企画の目的の一つだと思いますが、いろんな意見を取り入れたりとか、いろんな方のお話を聞く、違う方向からのお話を聞いたりとかっていうのができたかなと思っています。
ブレスト後も挨拶の後に、「こういうのもいいですよね」って話が続いたりしたくらいでした。時間があればもっといろいろと話ができたと思います。
限られた時間の中でたくさん意見をもらって、結局40件くらいポストイットのアイデアができていました。記念としてポストイットは今も大事に残しています。
──それをもとに仕事のヒントになったことはありましたか?
今度その中の一つの案を実際にやろうかって話とかも出ています。参加して本当によかったです。次に誰かが行くなら、 どんどんこの企画の参加者の背中を押したいですね。
後押しの声が、人を一歩前に進める
そんな瀬口さんを支えたのが、エティックに所属する全力応援コーディネーター(メンター)の小林暉さんでした。

──準備から当日まではどんな形でサポートしていましたか?
具体的な流れとしては、手を挙げられた方が当日に向けて準備する中で、オンラインでの打ち合わせをさせていただきました。
回数は人にもよると思いますが、瀬口さんと自分の場合は、3週間ほどの期間に1時間の打ち合わせを2回ほど行いました。1回目は、この機会をどう使いたいか、何にチャレンジしたいかといったヒアリングや対話を行いました。
そこでだいたいの方向性を進めた後、2回目は直前に「こんな感じで準備してみました」という内容を確認し、さらにブラッシュアップしていくという流れです。盛り上がらないと悲しいですし、「瀬口さんのプロジェクトをなんとか成功させよう」という気持ちでした。
──実際に瀬口さんのピッチを終えて率直な感想はどうですか?
私としては瀬口さんがしっかりやり切ってくれれば良いなと思っていたので、その点ではすごくやり切れたなと感じています。事前に「こういう伝え方をした方がいいのではないか」「実際のブレストではどう進めるか」をディスカッションし、イメージトレーニングをして本番に臨みました。
瀬口さんからプレゼンの経験があまりないと相談をいただいていたので、なんとかサポートしたいという思いでしたね。でも、プレゼンをするのはあくまで瀬口さん自身なので、「頑張れ」という気持ちで、事前にできる限りのフィードバックをしました。
また、ブレストのファシリテーターもメンターの役割だったので、そこをやり切った後の進行などもイメージしていました。
──サポート役として気づいたことはありますか?
今回の経験を通じて、普段一緒に仕事をしていない人たちに対して自分の仕事や挑戦をプレゼンすることは、非常に意義があると感じました。こうした「後押しの声」があるのはすごく大事なことです。普段の業務の中では、機会があっても自分から手を挙げたりはしないと思うんですよね。
でも、それを経て当日に色々なアイデアをもらい、やり切ることは大きなチャレンジです。日々の業務では課題に追われて「どうしようか」と解像度を上げる機会が取り切れないこともありますが、そこを少し助けることができればと思っています。
また、「仕事の中で何が一番楽しいか」「何にやりがいを感じるか」といった原点に立ち返る機会は、普段なかなかありません。プレゼンという分かりやすいゴールに向けて、今の自分を見つめ直す機会として、このチャレンジが瀬口さん本人にとって意味のあるものになっていたら嬉しいです。
「学びは仕事だけじゃない」。日常に持ち帰れた、参加者の気づき
オーディエンスとして初参加した株式会社セイノースタッフサービスの平岡さん。印象に残ったことなどのお話を伺いました。

──ピッチに参加してみていかがでしたか?
瀬口さんのブレストの場がすごく興味深かったですね。私自身、子どもがいるのですが、家庭の事情を加味して、運営側がどう考えているか、ユーザー側がどう考えているかの両者の目線に立ったことや、フラットに意見を言えたのがとても良かったです。
具体的には、保護者側が学童に対して期待していることと、運営側が行える範囲の可能なことが分かった点です。日々、学童側が子供たちにどういう遊びをさせようかで悩んでいるのを知って、大変なんだなと新たに知ることができたのは学びでした。
普段だったらそこまで直接的な意見は言えないんですけど、リアルで触れている直近のものだから、それがすごくいいですね。
娘の学童のピクニックのイベントのしおりを見た時に、その予定に対して親目線の意見を学童側に「こういうのはどうですか?」と提案するなど、実生活でもあのブレストの場で得たことを実践しました。実際に生活に落とし込めたというのは大きな成果物になったんじゃないかな、という実感があります。
──マネックスとの交流はいかがでしたか?
金融業というのは堅苦しい業種というイメージが先行していました。うちと交わることはない、水と油みたいな感じだと思っていたのですけど、意外とみんなフラットに話せたというのがすごく良かったですね。
パッと見の印象も皆さんカジュアルだなと。服装もそうだし、喋る内容とか。くだらない話もしましたし、仕事の話など関係なく面白かったです。業種の違う他社との交流は本当に刺激になりました。
──今回のイベントを通して何か考えていることはありますか?
会社で横展開したいと思っています。他社のいろんなギャップを感じて、意見を出し合うことで仕事や私生活の場でも活かせることができるなと。
プラスにしかならないイベントなので、本当に気軽に参加したり、他社でも開催の機会があるならやったほうがいいです!もちろん、ピッチの後の交流会という名の飲み会もセットですけど(笑)。
熱くピッチイベントをして、楽しく飲み会をすることで、人間性や会社の雰囲気を深堀できますし、何より違った視点を得られることが本当におもしろかったです。今後も機会があれば絶対に参加したいですね。
愛を持って継続する力
第6回を終えて、たすき掛けプロジェクト事務局の4人に話を聞きました。
たすき掛けプロジェクト事務局メンバー
- エティック 小泉さん
- セイノーホールディングス株式会社 渡邉さん
- マネックスグループ株式会社 永井さん
- マネックスグループ株式会社 武田さん
渡邉:リミットや制約がないのがたすき掛けプロジェクトの醍醐味だと考えています。ノーストレス、ノーリミットですね(笑)。
小泉:両社ともに愛情のある企業だと思っています。だからこそ、このたすき掛けプロジェクトが続いている所以と思います。
永井:そうですね。この継続が何かを生み出すことができれば嬉しいと思っています。
武田:継続しやすい環境作りも大切ですよね。それでこそ、挑戦することの大切さを伝える場の提供だと思っています。
渡邉:中期的に見ると、難しいかもしれないですが、弊社でいうとドライバーなど現場からピッチに参加してもらうことができたらと思っています。参加未経験の所属層を今後は取り込んでいけたらなと考えています。
小泉:世代を多層的にすることは確かに大切ですよね。
永井:まずはたすき掛けプロジェクトがどういったものなのかの周知から力を入れていきたいなとも思います。
武田:何回までできるか、それこそ「挑戦」になりますね!
2026年の開催に向けて、すでに仕込みを始めているという事務局メンバー。次回はどんな「挑戦」が生まれるのか、楽しみです!
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