オンライン化が進む中、あなたはどんな暮らし方や働き方をしたいですか?
最近、オフィス出社が減り、在宅ワークが増えた方も多いのではないでしょうか。そしてどこにいても仕事ができることを実感し、自分の人生で大切にしたいものについて見直し始めた方もいらっしゃるかと思います。
そこでひとつ、ヒントになりそうなキーワードが、「地域」。
地域への移住、二拠点生活や多拠点生活、都市部に住みながら地域で副業するなど、現在は暮らし方も働き方も多様に選択できる時代です。
そんな中、「気が付くと、きっかけはいつも人だった」を合言葉に、“本当に自分に合う地域や仕事・チャレンジの機会を探している都市部在住の学生や社会人”と、“地域で新たな事業・チャレンジを仕掛けている人(=仕掛け人)”が出会うイベントが存在します。
その名は、「日本全国!地域仕掛け人市」。
2014年に初開催し、過去7回実施され、延べ3,400人以上を動員した、都市部と地域を繋ぐマッチングフェアで、今年は6月28日(日)開催。Facebookページも1万いいね!を超え、注目も年々高まっている中、今までは東京開催でしたが、今年は史上初のオンライン開催が決まりました。
日本全国!地域仕掛け人市
今回は、日本全国!地域仕掛け人市(以下、仕掛け人市)実行委員の中から、佐々倉玲於さん、長谷川琢也さん、田村篤史さんの3名(以下、敬称略)に取材しました。オンライン開催による新たな可能性やイベント当日の楽しみ方、そして地域との新しい繋がり方についてお話いただきました。

過去開催の様子:交流ブース(昨年は、全国22地域から32団体が出展し、来場者は約400人)

過去開催の様子:イベント終了後の集合写真(実行委員も出展者も勢揃い!)
今年はボタンひとつで、地域の仕掛け人と出会えます!
ーー今年史上初のオンライン開催ということですが、どのような可能性を感じていらっしゃいますか?
田村:オンラインの可能性で言えば、今までは東京の会場に来ないと参加できませんでしたが、今回は東京にいなくても仕掛け人市に参加できます。
これまでは東京から地域へという文脈で語られることが多かったですが、東京が起点でなくても良いと思います。むしろ地域から地域へという動きをどれだけ生み出せて、それがいいよねと感じられる状態を作れるかが大事です。そして結果的に東京の人たちが、「地域と地域を行き来するような暮らし方や働き方を自分もしてみたい」と感じてもらえるようになったら嬉しいです。
長谷川:「半分サラリーマンで半分漁師という働き方が面白いですね」と、ありがたいことにたくさんの方々から声をいただきます。一方で、「そうは言ってもあなたみたいに動けないです」「情報を探しに行くのも出会いに行くのも大変です」という声も同時にいただきます。しかし今が、まさにチャンスです。オンライン開催ですので、ボタンひとつで簡単に地域の仕掛け人と出会うことができます。
佐々倉:海外から参加してくださる方も出てくるといいなと思います。外国の方でも、海外に住んでいて今後日本に帰りたいと考えている日本人の方でも大歓迎です。
ーーオンライン開催の準備状況はいかがでしょうか?
長谷川:今回初めてのオンライン開催という新しいチャレンジですので、みんなドキドキしながらも、「準備をちゃんとしようぜ」と実行委員も出展者もすごく気合が入っています。仕掛け人市の良いところは、まさに「横の繋がり」です。実行委員同士も出展者同士も横の繋がりが強く、何かあったら助け合えるコミュニティだと思っています。
また現在、ラジオ企画も実施中です(*)。仕掛け人市は、まさに仕掛け人の見本市ですので、その人たちをオンラインで事前に紹介できているのは面白いです。地域としてのブースでのキャラではなく、仕掛け人としての一人一人のキャラが見えてきます。
(*)「仕掛け人ラジオ」と題して、普段なかなか聞く機会の少ない、地域で活躍する仕掛け人のリアルな話を聞ける動画配信企画。Facebookページでアーカイブもご覧いただけます。
仕掛け人市Facebookページ


史上初のオンライン開催!果たして当日、どのような“きっかけ”が新しく生まれるのか、とても楽しみです!
実行委員直伝!イベント当日の楽しみ方とは?
ーーイベント当日の楽しみ方について、何かオススメはありますか?
田村:参加者目線に立って考えた時に、個人的に面白いと思うのは、「チャットの機能」を積極的に使うことです。実際の会場だと結局、出展者が別の参加者と話している時に、質問があったとしても割り込みしづらいと思いますが、チャットであれば、出展者が答えられる可能性もあります。
質問がチャットに残っていて、仮に出展者もそれに対しての回答をチャットに残せた場合、他の参加者が同じ質問をしなくて済みます。チャットに150字ぐらいの簡単な自己紹介を残しておくのもいいかもしれません。出展者同士は当日連絡を取り合えますので、その自己紹介をもとに他の出展者に繋いでもらえる可能性もあります。
長谷川:オンラインだとその時に興味が出たことをすぐに検索できます。パソコンやインターネットを使って、興味を膨らませながら聞くのも良いかと思います。
佐々倉:参加者の皆さんが勝手に編み出す「イベント当日の楽しみ方」が生まれてきても嬉しいです。たとえば、オンラインですので飲食しながら参加することも可能です。さらにその飲食物が出展地域のものであればより一層楽しめるかもしれません。
やりたいことが「ある人」も「ない人」も、地域と繋がることができる!
ーーオンライン化が進む中で、地域との繋がり方が今後どのようになっていくのか、お考えをお聞かせください。また読者の方々へのメッセージもお願いいたします。
田村:出会った後の、関わることの発生率をあげたいです。たとえば仕掛け人市で100人の方と出会った後、もし継続的に連絡を取った人が3人だった場合、残りの97人はイベント当日に出会っただけで終わりになってしまったということです。もしその人たちが、「移り住まなきゃいけない」と思っていたのであれば、こちらがうまくコミュニケーションできていなかったということだと思うのです。
どうしても人間って、「中途半端に関わることがダメ」と感じてしまう気がします。「0か100の移住、つまり、移住するかしないか」でなくてもいいと、実行委員も出展者もみんな思っています。地域によって関わり合いの度数は違いますが、一緒に考えながらコミュニケーションする中で見えてくるはずですので、ぜひ諦めないで欲しいです。
長谷川:「家で働けるじゃん」「どこでも働けるじゃん」と多くの方々がここ最近気づいちゃったと思います。地域のほうが誰とでも繋がることができたり、食べ物を作っている人が近くにいるので何かあっても食いっぱぐれません。自然のなかで遊ぶことができるので、密を避けた遊びやアクティビティもいくらでもあります。「地域の方がいいじゃん」ということが加速する予感もしています。
優秀な人や、後ろ髪を引かれながら都市にいる人が、才能と情熱を解き放つことができます。そして、“それでも都市にいる優秀な人”と、“解き放って地域にいく人”とが繋がって、「すごい人とすごい人との掛け合わせで、すごいことがたくさん生まれる未来」が来たらといいなと思います。未来というより、まさに今ですね。
佐々倉:やりたいことがある人は積極的に攻めていくことができます。一方で、みんながみんなやりたいことが明確にあるわけではないとも思っています。ですが、「今のままではいけない」「部屋の中で悶々としているんだけど、何がしたいとはっきり言えない」「いまの仕事で悩んでいる」と考えているとも思います。
オンラインはそういう「ない人」が飛び出すためのハードルを下げてくれます。自分の部屋にいながらオンラインで地域の人に出会い、お互い理解した上で地域に行くことが実際に起こり始めています。
仕掛け人市は、「仕掛けなければならない」「やりたいことがある人を募集」という方向性もありますが、「ない人」にも窓口はあります。迷っていたり悩んでいたりする方々にも、オンラインだからこそぜひ気軽に参加してみて欲しいです。
ーー本日はありがとうございました。盛会を心から願っております!
【インタビュー取材した3名(順不同)】



【仕掛け人市に関する過去記事】
田舎にはいい”舞台”がたくさんあり、「日本全国!地域仕掛け人市」にはいい”台本”がある《2017年公開》
地域でチャレンジすることを遠慮無く求めていい場所。「地域仕掛け人市2015」開催!《2015年公開》
※本記事の掲載情報は、取材を実施した2020年06月現在のものです。

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