Brexit。Britishがexitした…このことは一夜にして世界を激震させました。6月23日、EU離脱を国民投票で決定したイギリス。何故人々は「離脱」に投票したのでしょうか。そして英国のEU離脱で広がる波紋は? 
EU Referendum Results – BBC News

まずは今回の、EU離脱に関する英国国民投票の地方ごとの結果をわかりやすくまとめたこちらのデータ。英国中部と北部はほぼすべて「離脱」、「残留」に投票したのは南部のごく一部であるロンドン近郊、そしてスコットランド、北アイルランドだけだったことがわかります。
地べたから見た英EU離脱:昨日とは違うワーキングクラスの街の風景
「どうせ残留になるだろうけれど、自分たちワーキングクラスの怒りを表明しておきたい」という思いから「離脱」に一票を投じた労働者階級が多かったことが印象的です。彼らは、「EU加盟によって自由に人が移入するようになり、それが労働者階級の貧困を招いた」と感じて怒っているようです。 しかし、実は労働者階級の抱える怒りは、移民に向けられるべきものではなかった、という見方があります。
Brexitというパンドラの箱

「離脱」に投票した人々の問題意識と実際の問題の原因とが必ずしも一致していない、という記事。 学校が足りない問題も、病院が混んでいる問題も、そして不動産が高騰している問題も、移民のせいだけではなく、もっと大きな別の原因があるという分析です。
この分析によると、もし移民が減っても、これらの問題は解消されないということになります。 EUの最大の功績は、戦争ばかりしてきたヨーロッパ諸国を「統一市場による経済成長」という最大の抑止力でまとめたこと。それが今回のBrexitのショックで揺らいでしまうのではないか、と指摘しています。たとえば以下のニュースを見てみましょう。
ロンドン独立求め数万人が署名、英国のEU離脱で

ロンドンは住民のほぼ半数が移民。グローバリズムの恩恵を実感しているロンドンのカーン市長は、英国から独立してEUに加盟するという署名サイトを立ち上げ、既に4万人の署名が集まっているということです。英国内ですら分裂の意志を表明する人々が少なくないという状況。
【EU離脱】えっ今さらその言葉をググるの? 離脱に投票し後悔する人たち

開票結果が出てからのGoogle検索ワード1位が「EUを離脱すると何が起こるか?」というものだったという驚きのニュース。2位には「EUとは?」というさらに基本的なワードも入っています。 また、「自分は離脱に投票したけれど、残留する結果になると思っていた」と後悔する声があちこちで見受けられます。
英 200万人以上 国民投票やり直し求め請願に署名
英国国民投票のやり直しを求める署名は既に200万を超えています。しかし、投票のやり直しが行われる可能性は低いとのこと。Brexitを受けて、各国のEU批判派の勢いが増す可能性も出てきました。 国民投票に臨んだ英国民を巡る問題は、参院選を控えた我々日本人にとっても、他人事ではありません。しっかり準備して、後悔のない投票にしたいですね。

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