「こんな世の中をつくりたい」。想いとアイデアを400字に込めてエントリーする、スタートアップ ビジネスコンテスト「TOKYO STARTUP GATEWAY」(以下、TSG)。2025年のエントリー数は、過去最多4,418人に上りました。その特徴は、エントリー後、半年間をかけて一人ひとりの想いを、世界を変える力に磨き上げること。
TSGは挑戦者にどんな変化を生むのか?2025年11月30日、決勝大会に選ばれたファイナリスト10名に聞きました。
「共に戦ったファイナリストと、起業後も続く濃密な関係を築けた」伊賀将之さん

伊賀 将之(いが まさゆき)さん
<テーマ>
アフリカ発!砂漠砂舗装材提供事業
<事業内容>
砂漠砂を活用した高耐久舗装材を提供。低品質な舗装しかできず、劣化問題を抱えるアフリカ諸国で維持費を削減し、新道建設にシフトすることで道路網を構築し、経済発展と輸送効率向上に貢献する事業。

「『何としても、この事業を始めなければいけない』との想いでプレゼンに挑みました。TSGでは、立場や年齢の異なる応募者が提出した多様な事業計画に対して、メンターの方々が個別に手厚いアドバイスをしてくれます。決勝戦まで上がってきたファイナリストとも濃密な関係を築くことができました。起業後も続くような関係性になるのではないかと感じています」
「つくりたい未来を言語化し、ビジョンをしっかりと描けた」片平雅大さん

片平 雅大(かたひら まさひろ)さん
<テーマ>
アフリカの無医村におけるコミュニティ・ヘルスワーカーを介した遠隔診療
<事業内容>
アフリカの農村部の無医村に住む医療にアクセスしづらい方々に、現地のコミュニティ・ヘルスワーカーと協力して、衛星通信等を用いた質の高い遠隔診療を提供する。

「さまざまなバックグラウンドを持つ方の意見や事業に対する考えが、非常に興味深かったです。こうした考え方を聞けたことが、TSGの一番の魅力だと感じています。選考過程では、事業を通してどんな未来を作りたいのかをまず言語化したのですが、そのステップによりビジョンを狭めることなく描けた点も良かったです」
決勝大会での決勝後、「最優秀賞」を受賞した片平さんは、予想外の受賞に「おっ」と驚いたと話してくれました。

「TSGは東京都主催のビジネスコンテストですが、この事業は、活動拠点がアフリカで、NPOでの応募から、受賞はないだろうと思っていました。名刺をはじめすべての荷物をしまい、決勝戦後はすぐに帰れるように準備していたので、受賞は『おっ』という驚きがありました。賞金は、無医村に置く薬箱や低軌道衛星インターネットサービスであるスターリンクの設備投資にあてようと思っています」
「高校生や異業種の人との関わりがいい刺激に」松尾修作さん

松尾 修作(まつお しゅうさく)さん
<テーマ>
訪日観光客向けサイクルツーリズムのワンストップサービス
<事業内容>
サイクリングを軸に地域と世界をつなぐ観光DX事業。多言語プラットフォームでインバウンド需要を地方へ導き、持続的な地域経済の創出を目指す。

「挑戦者には高校生や異業種の方など自分とは背景が異なる方が多くいます。普段関わる機会が少ない方たちからいい刺激を受けて、事業をブラッシュアップするヒントを得ました」
「400字のアイデアが、実現可能な事業計画へ磨き上げられた」林裕也さん

林 裕也(はやし ゆうや)さん
<テーマ>
脳を知り、脳を操り、限界を超える
<事業内容>
脳波が映し出すのは、不調の結果だけではありません。ストレスの微かな予兆、小さな疲労の蓄積、そして自分だけの回復のリズム。人々が自身の脳を理解し、操り、最高のパフォーマンスを発揮できる社会を目指します。

「TSGで、自分のアイデアをブラッシュアップできました。応募した400字をもとに事業計画を立てる過程では、求められる項目が増え多くの書類を作成します。大変でしたが、このプロセスを通して、自分のアイデアから具体的な事業計画を描くことができました」
林さんは「優秀賞」と「メンバーシップ賞」をダブル受賞し、こんな言葉を残してくれました。

「受賞できると思っていなかったので、正直、とても驚きました。同時にここ最近、かなり頑張っていたので、受賞できた喜びもあります。少し泣きそうになるぐらいうれしかったです」
「メンターとの対話で事業計画が整理された」土川稔生さん

土川 稔生(つちかわ としき)さん
<テーマ>
アレルギーに関わる方の選択肢を増やし、安心して食を楽しめる社会を創る
<事業内容>
アレルギーがあっても食を楽しめる未来を。「taberugi」は、ユーザーの実体験から安心して食事ができるお店を探せるサービスです。将来的には社会全体を巻き込み、アレルギーフレンドリーな社会を実現します。

「エントリー後、TSGで開催される定期イベントのたびに、メンターの方からフィードバックをもらいました。そのフィードバックに対する自分の考えを話すうちに、事業計画が整理されていきました。チームメイトとも持ち帰ったフィードバックを共有し、次の定期イベントにブラッシュアップし改善した事業計画を持っていく、というサイクルを続けられました。あっという間の期間でしたが、参加して本当に良かったです」
決勝大会の出場後、「Tokyo innovation賞」を受賞した土川さんは、喜びを次のように語りました。

「主催者である東京都から評価されたことはとても嬉しく思いました。本プログラムを行政との取り組みに活かしていきたいです」
前編では、決勝大会に選ばれたファイナリスト10名のうち、5名のコメントをお届けしました。続きは後編をご覧ください。
<紹介したファイナリスト5名のプロフィール>
※プロフィールは2025年11月時点のものです
伊賀 将之(いが まさゆき)さん
2012年Honda入社以来、自動車ボディー材料開発に従事。2023年より新素材研究に着手。本プロジェクトの技術、事業開発のプロジェクトリーダーとして社内SUプログラムの最終審査を通過。年内の起業を目指す。
片平 雅大(かたひら まさひろ)さん
途上国の医療に興味を持ち、Johns Hopkins大学院で国際保健を学ぶ。Oxford大学院の起業プログラムを通してFihankra Healthを設立し、アフリカの50の無医村で医療を提供する。
松尾 修作(まつお しゅうさく)さん
元プロロードレーサー。MBAホルダーとしての経験を活かし、インバウンド×サイクルツーリズム×地方創生を推進。自転車を軸に地域と世界をつなぐ新たな観光モデルを構築中。
林 裕也(はやし ゆうや)さん
福岡県出身。米国留学中にBrainTech企業にて脳波計の開発を経験し、脳波の可能性に惹かれる。その後、次世代脳波計開発のスタートアップ立ち上げに参画。現在は脳波技術の社会実装を目指し、株式会社メルドワークスを創業。
土川 稔生(つちかわ としき)さん
東京工業大学情報理工学院卒。タイミーで初期から上場までを経験。データエンジニアとして登壇や書籍執筆など幅広く活動。幼少期から卵・そばアレルギーを持つことをきっかけに「taberugi」を立ち上げる。
<TOKYO STARTUP GATEWAY2025 ファイナリスト10名>
伊賀 将之さん:アフリカ発!砂漠砂舗装材提供事業
片平 雅大さん:アフリカの無医村におけるコミュニティ・ヘルスワーカーを介した遠隔診療
重田 美彩子さん:貼るアロマテラピーのパーソナライズプラットフォーム
白石 哲也さん:AIが学習し、パーキンソン病の日々を記録・分析。最適なリハビリを提案。「RehaMe」
土川 稔生さん:アレルギーに関わる方の選択肢を増やし、安心して食を楽しめる社会を創る
仲村 怜夏さん:忘れたくないをカタチにする記憶のプロダクトブランド
那須 航さん:探究心に、翼を!研究マッチングプラットフォーム「Re:Search」
林 裕也さん:脳を知り、脳を操り、限界を超える
松尾 修作さん:訪日観光客向けサイクルツーリズムのワンストップサービス
水口 大樹さん:声の力で自分らしく生きられる社会に! 声の伴走支援サービス & 声キャラ診断
TOKYO STARTUP GATEWAY2025 THE FINAL ダイジェストムービーはこちらから
「TOKYO STARTUP GATEWAY」特集記事はこちら
https://drivemedia.etic.or.jp/special/33745

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